小学校でプログラミングの授業が必修化され、現在プログラミング学習への関心が広がっています。今の大人の世代には縁のない科目なので、心配される親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、プログラミングを学ぶメリットと、将来プログラミングのスキルを活かせる職業の種類を紹介します。
・プログラミングを学ぶメリット
2020年から、プログラミング教育が義務化されています。子どもを将来プログラマーにさせる予定はないので、時間とお金の無駄だと考える親御さんも多いのではないでしょうか。一方、プログラミングを学ぶことで、プログラムを書く能力だけにとらわれない能力が身につきます。今回は、プログラミングを勉強する3つのメリットについて解説していきます。
①論理的な推論力が身につく
プログラミングでは、物事の仕組みをよく理解し、その手順通りに指示を出すことが不可欠です。間違えたり、工程を省いたりすると、ソフトウェアの動作が予想と違ってきます。プログラミングを学ぶことで、普段の生活ではおろそかになりがちな手法や理屈を理解し、伝えることができるようになります。プログラミングを学ぶことで、本で学ぶには厳しい論理的思考を磨くことができます。
②課題をこなすのが苦にならなくなる
IT系以外の職種でも、プログラミングを学べば効率よく仕事ができるようになります。プログラミングをすることで、論理的な判断ができるようになり、自分の仕事を整理して相手に説明することができるようになります。エンジニアと接する際にも、プログラミングを学んでいれば、仕事の対象を理解し、仕事上の話や段取りをスムーズに行うことができるようになります。
③IT技術をより理解しやすくなる
IT技術の世界は常に変化しているため、プログラミングを習得したからといって、すぐにその業界のエキスパートになれるわけではありません。新しいIT技術を理解するためには、まずITの基礎を理解する必要があります。新しいIT技術を理解するためには、ITの原理を理解する必要があるのです。
・プログラミングのを活用できる仕事
プログラミングを学んで仕事に活かすというと、プログラマーという仕事を想像するのではないでしょうか。プログラミングはプログラマーにとって必要な能力ですが、プログラマーだけに役立つというわけではありません。ここでは、プログラミングの能力を活かせる職種を4つ紹介します。プログラミングの知識やスキルは、上記の4つだけでなく、幅広い職種に活用することができます。
① 業務システムの効率化
今や企業のあらゆるプロセスはシステムで管理されていると言っても過言ではありません。プログラミングの知識やスキルがあれば、自分の担当する業務システムの改善に役立てることができます。システムの調整は担当エンジニアに任せるしかありませんが、より効率的にする方法を検討することは可能です。また、使いにくい場所を特定し、業務上避けるべきもの、システム改修を評価すべきものに分類することができます。
②日常生活におけるモノのインターネット
IoT家電のインターネット対応化に伴い、プログラミングの知識は家電関連分野にも応用できます。例えば、家の外から動画を撮影する、エアコンを操作する、冷蔵庫の中身を監視するなど、プログラミングスキルがあればIoT家電との連携方法を検討することができます。プログラミングのスキルがあれば、IoT住宅設備が当たり前になったときに、多少の困難は気にせず対処できるかもしれません。この機会にぜひ、モノのインターネットについて学んでみてはいかがでしょうか。
③アプリケーション作成
プログラミングができれば、IT分野での就職もしやすくなります。プログラミングの知識があれば、自分のアイデアをパソコンや携帯電話のプログラムとして構築することができます。取引用のアプリケーションを作ることもできますが、普段の仕事を効率化するためのツールを作ることも可能です。
④ ゲームコンテンツ制作
ゲームは、パソコンやスマートフォン、ゲーム専用機向けにプログラムされています。プログラミングができれば、ゲームの素材を自作することも夢ではありません。プランナーがプログラミングのスキルを持っていれば、ゲームコンテンツのデザインに携わりたくない方でも、実現性の高い企画を立案することができます。
プログラミングが活用できる職業
プログラミングの能力はプログラマーにしか通用しないと思っている人が多いようですが、IT技術の進歩に伴い、プログラミングの能力が必要な仕事は増えています。IT関連分野への就職では、プログラミングスキルは必須条件の1つです。ここでは、プログラミングの才能を活かせる一般的な6つの職業を紹介します。
①システムエンジニア
システムエンジニアは、システムを開発する際に、システム全体を設計する仕事です。建築で例えると 建築家は全体の設計を行い、大工は構造物の施工を行います。水や電気の配管・配線は、それぞれの作業者が担当します。システム開発における建築設計者は、システムエンジニアです。大工さんはプログラマーです。小規模なシステムでは、システムエンジニアとプログラマーが兼任する場合もあります。
②エンジニア(サーバー)
サーバーエンジニアは、サーバーの企画・構築・保守を担当します。サーバーの設計・構築・保守を行うため、コンピュータの仕組みを理解し、プログラミングのスキルが必要です。また、プログラミングの経験により、障害管理やセキュリティ設定など、OSと各ソフトウェアの相互関係を調査することもできます。
③データベース開発者
データベースの設計・開発・保守を担当するエンジニア。データベースの設定や保守には、データベースプログラミングも必要。プログラムを開発するわけではありませんが、命令を出すことも多いので、プログラミングの能力がより発揮されます。
④フロントエンド開発者
ユーザーが操作するシステムの「画面」「入力」部分を設計・構築するのがフロントエンドエンジニアです。フロントエンドエンジニアがデザインを作り、Webデザイナーが画面制作を行うという完全な分業体制になることもあります。デザインだけを担当し、実装の指示を出すという分業体制でも、プログラミングを知ることで、より的確な指示を出すことができるようになります。
⑤セールスエンジニア
セールスエンジニアは、お客様に技術的なアドバイスをすることができる営業職です。机上の知識だけでなく、プログラミングの知識や経験があれば、専門知識や実務に基づいた説明を行うことができます。最初から技術的に正確な説明をしておけば、受注後にできることがぼやけてしまう可能性を少なくすることができるのです。そのため、専門の営業マンというよりは、システムエンジニアが “営業支援 “として営業マンに同行することもあります。
⑥コンピュータープログラマー
プログラミングのスキルが必要な職業として真っ先に思い浮かぶのは、間違いなく “プログラマー “でしょう。プログラマーは、システム設計書の記述にしたがってコーディングします。システム設計書の作成は、システムエンジニアが担当します。プログラマーはシステム設計書を読み、その指示に従ってプログラムを作成する。プログラマーとシステムエンジニアは、プログラミングが設計書に沿っているかどうかを確認するために「テスト」を実施します。
・プログラマーが持つべき要素
プログラマーとして認められるためには、特別な学歴や資格は必要ありません。プログラマーとして活躍するために必要なのは、知識と能力です。ここでは、コーダーになるために必要なことを見ていきます。
①プログラミングのスキル
プログラマーになるためには、プログラミングの知識を身につけることが不可欠です。プログラミングの専門知識が豊富であれば、より早く才能を開花させることができます。複数のプログラミング言語を習得している方が有利ですが、中には特定のプログラミング言語を習得することを目標に知識を蓄える方もいます。言語的なスキルに加えて、理解しやすく間違いのない書き方を知っていることも重要です。
②コミュニケーション能力
プログラマには、コミュニケーション能力も必要です。プログラマーはコンピュータとばかり会話しているイメージがありますが、実際には仕様を担当するシステムエンジニアや他の開発メンバーともコミュニケーションを取らなければなりません。プログラムに不具合を生じさせないために、仕様書の意味を読み取り、疑問を解決するための適切な質問をする能力がプログラマーには必要です。
・考慮すべきプログラミングの資格
プログラマーになるための前提条件はありません。プログラミングの知識を証明する資格として、経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」があります(経済産業省)。広く認知されている国家資格であるため、一般的にIT系の職種では資格保有が必須とされています。各メーカーが発行する認定資格は、プログラミング言語やデータベースの習熟度を証明するために利用することができます。
・まとめ
プログラミングを学ぶことで得られるのは、プログラミングのスキルだけではありません。習得が難しく時間がかかると思われる論理的推理力やコミュニケーション能力も向上させることができます。プログラミングのスキルは、プログラミングだけでなく、現代の様々な職業に活用することができます。将来の仕事を見据えて、プログラミングを学ぶようにしましょう。
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